83話:今、私が一番好きな曲 [クラシック]

前回のエッセイでは15歳のワーグナーが音楽家になるきっかけとなった感動した作曲家、それがベートーベンです。           

          ベートーベン◇ピアノソナタ第14番「月光」
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン( Ludwig van Beethoven 1770-1827)は、ドイツの作曲家です。クラシック音楽史上極めて偉大な作曲家の一人とされ、その作品は古典派音楽の集大成かであり、ロマン派音楽の先駆けとされています。

ピアノソナタは32曲残しています。中でもこの月光は最も人気がある曲のひとつであり、8番「悲愴」23番「熱情」と並んで3大ピアノソナタと呼ばれることもあります。

この月光は1801年、ベートーベンが30歳のときの作品です。ベートーヴェンの弟子で、恋人でもあったイタリアの伯爵令嬢ジュリエッタ・グイチャルディに捧げるために作曲されました。結局実らないロマンスでしたが、ジュリエッタは当時17歳でありベートーヴェンとは14歳差でした。最も彼女と結婚までこぎ着けなかった理由は年齢差というよりも身分の差であったとの事。なお、ジュリエッタはシントラーの伝記では「不滅の恋人」であるとされています。初期から中期へさしかかる作品であり、初期の作風はハイドン、モーツアルトの影響を受けています。


「幻想曲風ソナタ」という題名が書かれていました。それは大変静かに深々と始まる1楽章、第二楽章からは、まるでベートーベンの恋する胸の内が晒されているような、舞曲が展開していきます。そして3楽章は激しい感情と躍動感で何か決意をしたかのような展開となります。このように、静・動・動という「序破急」の流れで進行していくスタイルのピアノソナタは当時としても画期的なものだったのです。

  
東山魁夷 漓江月明 2.jpg
              東山魁夷(1908-1999)◇月明

ところで「月光」という標題は作曲者の意図するところではなかったようです。ベートーヴェンの死後、1832年にレルシュタープが第1楽章についてを「ルツェルン湖の月光の波に揺らぐ小舟のよう」とコメントしたことに由来されるとの事。 *レルシュタープ=ロマン派の詩人、シューベルト「白鳥の歌」他

尚、ルツェルン湖(Vierwaldstättersee)はスイスの中央に位置する湖で、同国で4番目に大きい湖です。

それぞれの楽章は特徴がはっきりしていて演奏する上でも表現やイメージのしやすい曲のような気がします。ただ2楽章は聞いているとほっとするようなかわいい舞曲ですが、演奏は軽やかさを出さなければならず気の抜けない部分が沢山ありますね。

 月光1楽章:ピアノ 本間くみ子

http://www.youtube.com/user/kumikopianon?feature=mhum#g/u





  [るんるん]kumikopiano インフォインフォメーションコーナー [るんるん]

        <本間くみ子 ピアノリサイタル Vol.2>2010.10.2(土) 

  ソフィアザールサロン(駒込)開演14時30分(50席、要予約) 入場料¥2000 http://www.sam.hi-ho.ne.jp/happyendoh/top.files/info.files/info.html  
  

             ~ドイツ音楽の系譜による調べ~          

          ブラームス:間奏曲作品118-3 カプリチオ

               バッハ:フランス組曲第6番

                シューマン:夕べに、飛翔

              シューベルト:即興曲作品90-3

               ベートーベン:ソナタ「月光」  他



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