108話:不滅の恋人に献呈したピアノ曲 [ピアノ]

ただ今第3回ピアノリサイタルに向けて日々準備をしております。
今回はロマン派への誘い最終章、ベートーベン後期ピアノソナタからのご紹介です。

  
クリムト◇ベートーベンフリーズより~詩~

クリムト◇ベートーベンフリーズより~詩~



ベートーベン◇ピアノソナタ第30番作品109


ベートーベン後期ソナタを呼ばれるのはこの30番をはじめ、31番・32番です。29番「ハンマークラヴィーア」もそうですが、30番~32番は1820年にまとめて作られました。聴覚が全く絶望的であったにもかかわらず、メートリンクでの心地よい夏を過ごしたあと、ミツバチのように楽想をかき集めて来てウィーンに帰ってから一気に書き上げられた、と記されています。

特にこの30番は不滅の恋人と言われているマクシミリアーネ・アントーニアへ捧げられているようです。しかし、当時アントーニアは結婚していたこと、主人であったマクシイリアーネ氏には世話になっていたことなどにより、ベートーベンは公にしなかったらしい事が後に分かりました。その証拠の一つにこの30番は直接夫人に献呈されておらず、娘のブレンターノに手渡されています。現代の私たちから想像するベートーベンとは違う繊細な一面が伺えますね。またそんな切ない恋というとクララとブラームスを連想していまいます。



アントニーア・ブレンターノ

アントニーア・ブレンターノ


1813年の自殺未遂から9年を経て、創作に落ち着きもあらわれています。この30番は第3楽章に重心がおかれ、変奏曲になっていますが、主題後半部分は歌曲「遥かなる恋人に寄せる」と同一のフレーズが用いられていることからも叶わぬ想いを曲に封じ込めたベートーベンの心情を察します。

次回は若きベートーベンのエピソードをご紹介します。

作曲家たち


第一楽章バレンボイム

第一楽章アラウ




 

♪♪♪ ♪♪♪ ♪♪♪ インフォメーション ♪♪♪ ♪♪♪ ♪♪♪


リサイタル会場:ソフィアザールサロン全景はこちら http://www.sam.hi-ho.ne.jp/happyendoh/top.files/soph.files/seclet.html

b8269a5be512cbbdc604492bd4bb4bec5576054d_71_2_9_2.jpg



リサイタルについてはこちら 


ただ今youtubeに73曲のせています。どうぞお立ち寄りください http://www.youtube.com/user/kumikopianon/videos


ショパン◇ワルツ8番



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。