112話:孤独な神童 [ピアノ]

今回もモーツアルトです。モーツアルトの子供時代は大半を演奏旅行に費やした事もありかなり普通の子供とは違った人間形成になったことでしょう。
同じ年頃の友達と外を駆けずり回って遊ぶ、という事が想像しかねる、のは私だけではないでしょう。

父親レオポルドの同僚(宮廷オーケストラ)に、シャハトナー(1721-95)というトランペット奏者がいました。五才上の姉ナンネルの質問に答えてシャハトナーが思い出をつづっているものがありましたのでご紹介します。

「令弟が音楽の勉強に夢中になり始めると、他のすべての仕事に対する嗜好はすべて死に絶えたも同然になってしまうほどで、さらに子供っぽい遊びや戯れも、もし彼にとって興味がある場合は、音楽の伴奏がつけられました。彼と私が、部屋から別の部屋へと、玩具を運ぶ時はいつでも手の空いているほうが、行進曲を歌ったり、ヴァイオリンを弾いたりしなければなりませんでした」

「彼が音楽を始める前の頃、ほんの少しでも面白い遊びがあると、彼はそのために飲食を忘れ、また他のことをすべて忘れてしまうほど感じやすいものでした」

モーツアルトは興味のないものに対しては我慢できず放り出し、一方熱中すると我を忘れる、両者が並はずれなものであったのですね。

曲をするモーツァルト  楽譜を書いているヴォルフガングの様子をのぞき込んでいるのは、父親のレオポルト。 そばにいるのはシャハトナー
作曲をするモーツァルト  楽譜を書いているヴォルフガングの様子をのぞき込んでいるのは、父親のレオポルト。 そばにいるのはシャハトナー
「お互いにしょっちゅう会ってばかりいたので、彼は私がものすごく好きになってしまい、一日に何度も、おじさんは僕が好き?とたずねるものでした。時々、まったくの冗談のつもりで、いや嫌いだよというと、彼はすぐにも目にきらりと涙を浮かべるものでした。それほど彼の心はやさしく、そして愛らしいものでした」 さて、みなさんはモーツアルトとお友達になりたいですか? 他にもエピソードご覧になりたい方はこちらのエッセイをご覧ください。98話:手抜き、減給の名曲
モーツアルト◇ロンドニ長調 K.485
1786年36歳、モーツアルト円熟期の頃の作品です。この頃はオペラ「フィガロの結婚」上演大成功に続き、翌年には「ドン・ジョバンニ」を作曲、上演、平行してピアノトリオ、他と精力的に作曲活動しています
望台からのウィーン◇ベルナルド・ベロット(1720-1780>
展望台からのウィーン◇ベルナルド・ベロット(1720-1780>
このピアノ曲「ロンド」は明確な展開部を持っていてロンド形式とソナタ形式の両方の特色を備えた作品です。 冒頭のテーマは曲の進行の中で何度も出てくるのですが、その都度転調し、色彩が変わります。また転調するに至るまでの和声の進行、伴奏形態の変化が実に巧みで私は演奏するたびに感動します。きっとモーツアルトにとっては意図も簡単に即興で(鼻歌まじりに)あっと言う間に演奏してしまった事でしょうね。
ピアノ ロンドK.485Horowitz
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*こちらのエッセイもどうぞお立ち寄りください音楽と絵画の部屋
私自身の演奏会については11月10日(土)ピアノコンサート~名曲の旅~も予定しています。今日ご紹介したモーツアルトのロンドも演奏する予定です。
下記はセカンドアルバムより(ピアノ:本間くみ子)モーツアルト◇幻想曲ニ短調、どうぞお聞きください。現在4thアルバムリリースまじかです 尚、現在youtubeには90曲載せています

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